第37回日本語D-GAMES報告①:風(質問力)強化WS編

参加者:6名(初参加2名)立論講座をやってた1月2月はバブルでした笑。

(論理力を鍛えたい人が多いんだなぁと分かったので、個別講座の開講を検討してます^^)

内容:13:00~ ワークショップ(WS):風(反対尋問)と火(経験に基づく反駁)

   15:30~ 論題:臓器移植のためのクローンを創るべき


WSの内容を詳しく記録しようとしたら、長大になってしまったので、

3パートに分けて記録します♪

まずは、風(質問・反対尋問)のWS(ワークショップ)編。

(②火:経験に基づく反駁WS、③論題:臓器移植のためのクローンを創るべき、coming soon!)


13:00~  【復習】ディベートとは?六角ディベートとは?

     *この振り返りは基本的に参加者の方にやってもらいます^^。

13:15~     ★WSのグランドルールの設定。

   ①質問を考えながら聞く(風)、②自分の経験と照らしあわせながら聞く(火)

*六角ディベートは石(立論)、風(反対尋問)、火(経験)、水(癒し)、空(リーダー)という役割があります。WSでは、毎回事前にお知らせしたテーマを扱います。

13:20~ 【風の講義:2種類の質問】

風の役割は・・・

雲を吹き飛ばしたり、チリを吹き飛ばしたりして、くっきりはっきり輪郭を見せること!


その為に・・・

  ①確かめる質問:前提を確認する、世界観を一致させるための質問

  ★この質問をすることにより、良く陥りがちな見えない前提を見える化できます。

   前提が違うまま議論を進めるとすれ違うことが多々あります。

余談ですが・・・

   松本先生の著書の中で、

   お店で朝食セットを頼んだお客が、店員に、

   「これは鮭ですか?」と聞く、とたんに店員は『高いんですよ!!』と声を荒げる。

   という事例があり、よく先生とこのかけあいをセミナーで取り上げます。

   私が店員役(笑)。

店員は見えない前提として、客はケチをつけるものだと決めつけているし、

お客も、「この魚美味しいですが、鮭ですか?」と

自分の立場を明らかにしてから聞けば、意図が伝わりやすかったかもしれません。

見えない前提を見える化することで、建設的な対話が可能になります。

(加減も考慮!輪郭がぼやけている方が幸せなときもたくさんあります。「いいかげん」を探し続けましょう。)


②攻撃する質問→明らかにする質問:相手の論理の矛盾や、不十分なところを明らかにする質問

  *攻撃する、って表現がよくないと参加者の方から指摘され、「確かに」と思うので、暫定で明らかにする質問とします。

  ここで重要なのは、質問の作法。

  相手の弱点を真っ先にたたかないこと。

  外堀を埋めて、矛盾があることを証明しましょう。


模範的な手順:(かなり高難易度です。日常的に意識してみる程度で最初はOK笑)

  1、論理の矛盾を見つける。2、論理の矛盾を証明する大前提(3段論法のそれ)、を確認する質問をする。3、小前提を確認する質問をする。4、そして、最後に結論(痛いところを)証明する。

これは、基本の三角ロジック(三段論法)を理解することが大事です。

(三段論法に関しては石:立論の講義で扱います。)

そして、熟考する時間があるかと言われればNOです笑。

これを相手のスピーチを聞きながら考えて、質問しながら次の一手も考えていきます。

Think fast! 5つのパートの中でも一番瞬発力と柔軟性がいるパートです。


悪い質問の例:

「私のチームは●●と考えているのですが、そうおもわないですか?」

「●●という点は間違ってませんか?」

など。

相手チームは自分たちと考え方をあえて対極にしてディベートしているのを忘れずに。

この手の質問をすると、思います、思いませんの押収でやり取りが、水掛け論になりがちです。He said, she said.と英語の法廷ドラマなどでは表現されていますが、

見ているジャッジや社会は置いてけぼりになります。押し問答では判断つかず、時間が無駄になってしまいます。相手チームに議論を吹っ掛けるのではなく、扱っている論題を深め、それをチームメンバー、ジャッジ、観客とも共有するという他社意識を常に持ちましょう。


攻撃的な態度:

「ディベートが苦手」という人は、この反対尋問的なやりとりで攻撃されたことがある、もしくは自分が攻撃しすぎる人です。

違いを明確にしていく作業で摩擦はおきます。そして、六角ディベートにおける、風の役割は、話を嚙合わせ、深みを出すための材料をテーブルにあげることだと私は考えています。

感情的にならないように、相手が答えやすく質問するのもテクニックの一つと考えています。競技ディベートのような好戦的な尋問のスタイルは推奨してません。(それにはそれの良さがあります^^)

それは、質問の枕を冗長にるすことや、「おっしゃることもわかりますが」と共感を示しながら質問することを推奨しているのでもありません。

(そういった癒しのスキルは水(癒しのまとめ)のパートで鍛えていきましょう。)

イメージでいうと理想の風は「爽やか、軽やか」です!


また、対応する石の人も「負けまい」と屁理屈で返すのではなく、

しっかりと論理を明確にするために、風の質問を逆利用できれば最高です。

議論のごみを吹き飛ばしてもらってるって思えたらいいんですけどね^^♪



★受講生の皆さんの共感ポイント(火のWSとして心の引き出しを探ってもらいました。)

<風の講義を聞いて、Tさんが思い浮かべた経験談>

ある国際会議の会場スタッフのバイトをしたときの、現場のマネージャーへの接し方。

Tは英語堪能、マネージャーは英語ができなかった。Tは人手が足りているようにみえる、小会場の担当だった。それならば他の会場で行われている講演を聞きに行きたいと思った。そのため、Tはマネージャーに「この小会場は人手足りてますよね?」と伝えた。マネージャーは、ひどく困惑した表情を浮かべた。今思うと、英語ができないマネージャーは、実際の業務以上に、会場に一人になることがとても不安だったのではないか。前提を確かめる質問をしたり、相手の弱点を直接刺激しないアプローチを考えたほうが、円滑に自分の要求を通せたかもしれない、と感じた。


<火のワークショップへ続く>


Chorizm Communications

対話を通して理想のゴールを見つけ出し 実現に必要なコミュニケーションを提案します

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